Tomohiko Sugino

【3/21】愛知県立芸術大学修了演奏会 聴常現象Vol.3

2026/03/12

愛知県立芸術大学修了演奏会出演者に選抜されました。
3月21日 13:00より愛知県立芸術大学 室内楽ホールにて公演します。

信頼できるメンバーと一緒に僕が8年間集めた知識や経験、楽器、県芸やフィンランドのいいところ、そして「音」の全てを詰め込みます。

出演
パーカッション:北条拓夢 
@hjtakumu08
パフォーマー:
古木彩音 @ayane.furuki
狩集歩華 @ayumari21
岡理緒 @rio.nanokamo
諏澤凜 @s__rrri012
映像:
柏日菜乙 @otsuetkashi
小此木玲奈 @onakatoohesoto
PA:
望月郁亜 @mochifumia

以下プログラムノートより抜粋


 “聴く”という行為について、僕たちはどれだけ理解しているのだろうか?隣の人と同じ演奏を聴いていても、全く同じ音を“聴く”人はいない。音は、感じ方、注意の向き、経験や身体の状態、距離や向き、反射など、さまざまな条件に影響される。ほんの少し座る位置が異なるだけでも、「聴こえ」は変化するのだ。
 僕は3歳から感音性難聴を患い、補聴器を使用して生きてきた。しかしそれは、健常者と同じ聴力を得ているということではない。補聴器を使うことで、僕は健常者でも難聴者でもない、どこか曖昧な立場に立たされていたのだ。
 その経験をもとに、2023年に「脱健常者宣言」を発表した。補聴器が壊れた際、新しい補聴器を購入せず、一度難聴者として生活するという宣言をする作品である。2024年、フィンランド留学中に実際に補聴器が故障した。宣言どおり補聴器を購入せず、難聴者として異国で生活した。さらに帰国後、新しい補聴器を購入する過程で複数の補聴器を試用し、調整の仕方によって、僕には聴こえない音があることも知った。

 僕が今まで聴いてきた音は何だったのだろうか。そしてその問いは、僕の耳だけに向けられたものではないはずだ。聴こえが“普通”だと言われる人たちの間にも、きっと小さなズレは無数にある。僕たちはそれを、共通の感覚としてまとめてしまっていないだろうか?

《聴常現象 Vol.3》は、僕の個人的な“聴こえ”についての作品ではない。これは僕たちが共通して持つ“聴こえ”の作品だ。聴こえは個人的なもので、誰かと完全に同じように聴くことはできない。だからこそ、この作品を通して「聴こえ」について考えてほしい。